“すずめのてっぽう”も“やぶかんぞう”も、ピーピーグサという

“すずめのてっぽう"と“やぶかんぞう"、これらの雑草を方言でピーピーグサといいます。すずめのてっぽうは、水田や湿地などしめっぽい場所に群れをなして生えています。高さは20~30センチほどで緑色、5、6月に棒状の花穂をつけます。この穂を引き抜くと小さな穴があき、その穴に息を強く吹き込むと、ピーピーというかん高い音が出ます。このことからピーピーグサといっています。すずめのてっぽうは、漢字で「雀の鉄砲」と書きますが、それは花穂を雀おどしの鉄砲になぞらえたためだといわれています。子どもたちは野原に出て、すずめのてっぽうを見つけると、ピーピー鳴らして遊びました。でも、最近は子どもの屋外での遊びが少なくなったせいでしょうか、このような遊びを見かけなくなってしまいました。

佐野市の田沼や葛生地方では、やぶかんぞうをピーピーグサといいます。やぶかんぞうは春先になると、溝のまわりや土手などに、あざやかな緑色の芽を出します。葉は長く幅は3センチ程度、やや厚みがあってなめらかでつやがあります。その葉の横端を両唇にはさんで、横笛を吹くように息を強く出すと、ピーピーという音が出ます。その音からやぶかんぞうをピーピーグサといっています。ちなみに、女の子は、やぶかんぞうの葉を折り曲げたり切り取ったりして、人形を作って楽しみました。そこでやぶかんぞうを、ニンギョーグサともいいます。

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日