“力いっぱい”を、ウデッコキ・ウデッキシというう

「力いっぱい抱きしめる」、「精一杯頑張る」とは、よく耳にすることばです。この“力いっぱい"とか“精一杯"を、方言ではウデッコキといいます。このウデッコキは、昭和のころまで年齢や男女に関係なく多くの人が日常的に使っていました。ところが、共通語化がすすむにつれて、若い人たちばかりでなく、中高年者でもあまり使わなくなりました。

「20歳代は、若さと力にまかせてウデッコキはたらいたもんだよね。ソダのに病気にもナンナかったし、なんぼくたびれたって、一晩寝て起きリャー、すつかり回復したかンね。ワケーッテコター(若いということは)アリガテーもんだよねえ」

ウデッコキは、共通語の「うでこき(腕扱)」が変化したもので、腕をふるうこと、技がすぐれているという意味です。この意味が変化して、力の限りをつくすこと、思いっきりことをすることという意味になりました。この「うでこき」と同じ意味の語に、「うできり」があります。漠字で“腕切"と書き、腕の力のある限りとか、力いっぱいという意味です。この「うできり」が変化してウデッキリとなり、さらにウデッキシとなって、今も時折使われることがあります。

「手綱をウデッキシ引っぱっても、馬はぜんぜん歩こうとしネンだよ。ホソンボ(細い棒)でウデッコキ尻をブッパダイタンだけど動くケップリ(ようす)もしネーンさ。さっきあのオーカン(道路)のノボリッパ(坂道)でへばっチャッタンダンベー」

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日