本来の発音がなまって変化したもの(その二)―ヒはシになり、ジュはジになる―

「ひ」は“シ"と発音します

落語にある東京下町の人情話は、落語ファンならよくご存知のことでしょう。落語家の特殊な語り口調や下町なまりには、庶民の素朴な生活がにじみ出ています。なまりの主なものとしては、「ひ」がシと発音されることです。“火箸"がシバシとなり、飛行機がシコーキとなります。しかし、このようななまりは、東京の下町に限ったことではなく、佐野でも時折聞かれることがあります。

特に中高年者は、「ひと(人)」をシト、「ひとつ(一つ)」をシトツ、「ひとえもの(単衣物)」をシテモンのように、「ひ」がシになります。これとは反対に、布団を「しく(敷く)」はヒクともいいます。「ひ」をシと発音するのは、高齢者ぐらいでほとんど聞かれなくなりました。

「しゅ」を“シ"、「じゅ」を“ジ"と発音します

「しゅ」をシと発音し、「じゅ」をジと発音するその多くは、中高年者といっていいでしょう。

「シッパツ(出発)のジンビ(準備)は、ととのったケー?バスの待ち時間は、あとジップン(十分)しかネーカンネー(ないからねえ)」

「じゅ」という音(拗音)は発音しにくいために、ジという音(直音)になります。この外に、「熟し柿」がズクシと発音されるように、「じゅ」がズになる場合もあります。

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日