カシャッパ(柏の葉)でくるんだ餡こ入りの餅をカシャモチという
もち米とうるち米を同じ量にしてまぜ、それを炊いて軽くついたものをちぎって丸めます。これにあんこ(餡)やきなこをまぶしたものが”ぼたもち”です。
春と秋の彼岸には、供物として欠かせないものとなっています。かつて春の彼岸にはぼたもち、秋の彼岸にはおはぎといっていたようですが、今では春秋に関係がなくぼたもちといっています。方言ではオブタといいます。
「春のお彼岸に、親戚ンチでオブタを腹イッペーゴッツォー(ご馳走)ンなってねえ。オブタは久しぶりだったんで、ソリャー(それは)、ンまかったよ」
ぼたもちは、牡丹の花のようだということから、最初はボタンモチといっていました。その後、ボタンモチがボタモチになり、それがさらに変化してオブタとなりました。
ブタの前に「オ」をつけることによって、オブタはていねいな意味になります。「ブタ」はボタンのボタが訛ったものです。
五月五日は端午の節句(子どもの日)です。この日は男子の節句で昭和の中頃までは、家の軒先に菖蒲をさして邪気をはらい、柏餅をたべました。柏餅を方言でカシャモチといい、それを包む葉っぱをカシャッパといいます。子どもの頃、近くにあるカシャッパノキ(柏の木)に登って新鮮なカシャッパをもぎ取るのが楽しみでした。
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更新日:2021年04月30日