いのししの習性や行動などを表す方言および狩猟用語のいろいろ

いたずらする獣は多いが、近年、特に田畑を荒らし回り、作物を食い散らしているものに、いのししがいます。農家の人はこのいのししに困り果てています。他の動物とちがって特殊な習性をもち、独特な行動をします。このような習性や行動を表す用語や方言は、現在でも数多く残っています。昔からその土地に住む人たちは、そのような用語や方言を使って生活してきたからです。では、今日でも知られている語について取り上げてみましょう。
 
「マケッチシ(いのししの群れ)が田んぼや畑にヒャッテ(入って)さあ、イモ(里芋)やじゃがたらなんかを食い荒らしたり、土手をホックリケーシ(掘り返し)て、土や石ッコを掘り出すなど、ろくなコター(ことは)シネンだよね。みんな鼻の力でいたずらするンだってガネ。めめずやケーロンゴ(蛙)や草の根っこなんかを掘り出して食うんだってさ」
 
いのししのこうした害を少なくするために、昭和の初め頃、野上地方では狩猟やわな以外に、落とし穴を掘って、そこにオッコドシて(落として)捕獲したそうです。これをシシオシといいます。日中は、山の中腹の草のあるイネバ(寝床)で、いのししはじっーとして休んでいます。

夜、自動車から、山際の道路わきにいのししや鹿ンボがじっと立っている姿を見ることがあります。これらの動物は夜行性なのに、朝でも晩でも活動します。夕方になると、ヤタ(湿田)のようにどろどろした湿地で、泥をかき回し、ホッパ(泥浴び)をします。寄生虫を取り除くためだといわれています。いのししも鹿ンボも、早く田畑から姿を消してもらいたいものですね。
 
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更新日:2021年05月31日