方言助詞のはたらき-その1- "ド"は「ぞ」が変化したもので、意味を強めるはたらきをする

「これは何ですか」の「か」は、相手にものをたずねるときに使い、「だれか来たぞ」の「ぞ」は「来た」を強めるときに使います。このような「か」や「ぞ」を助詞といいます。
助詞にも方言があって、いろいろなはたらきをします。その例を挙げてみましょう。

まず、方言の助詞"ン"は、どんなはたらきをするのかについてみてみましょう。
道端(みちばた)で親しい人に出会ったりすると、「あらっ、これからどこへ行グン?」などと田舎弁で聞かれることがあります。このように方言では、共通語の「の」や「か」を使わず、"ン"を使ってたずねるのが普通です。

「誰が来たン?」「どんな映画を見たン?」「新ジャガをもう食べたン?」の"ン"には、ぞんざいな感じはなく、むしろていねいさがあり親しさがあります。今でも疑問の助詞の"ン"を使う人が多いのはそのためでしょう。

次に、方言の"ド"という助詞は、どんなはたらきをするでしょうか。
「玄関に誰か来たド」「あの人は昨日どこかで見たド」の"ド"は、共通語の「ぞ」が変化したものです。"ドー"のように音を伸ばしていうこともあります。「ぞ」と同じように、「来た」・「見た」を強めるはたらきをします。"ド"はあまり聞かれなくなりましたが、昭和の中ごろまでは多くの人が使っていました。

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更新日:2021年06月30日