方言助詞のはたらき-その2- ものをたずねるときにいう疑問の「か」は、方言で"エ"という

   「~よ」とか「~ね」に当たる方言に”ガネ”があります。「さっき言ったばかりだガネ」とか「間に合ってよかったガネ」というガネです。これらの”ガネ”は、念を押したり、詠嘆の意を表したりする助詞です。これと同じ意味の方言に”ガナ”があります。”ガナ”は”ガネ”に比べてぞんざいであることから、自分より年上の人や目上の人に使うことはできません。

   ”デ(ー)”という方言の助詞もあります。今でも多くの人が使っています。「聞いたことと、じっさいに見たこととは、形も大きさもまるっきり違ってるデ(ー)」”デ(ー)”は、親しい人などに軽く念を押していうときに使います。ていねいな意があり、年上の人にも使います。”デ(ー)”は「行くよ」の「よ」とほぼ同じ意味です。

   ”エ”という疑問の助詞があります。これにはていねいな意があって、年配者や見知らぬ人などにあることを尋ねるときに使います。明治・大正生まれの人は、場所などを尋ねるとき、「どこへイグエ?」のように、よく”エ”を用いました。”エ”は不定称(いつ・どこ・なに・だれ)と呼応関係にあります。

   ”ド”は、かつてはおとなも子どもも使っていましたが、多くは男性でした。「この靴はオメガン(君の物)だド」・「今、イグ(行く)ド」などの”ド”は、共通語の「ぞ」が変化したもので、意味を強めるはたらきをします。

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更新日:2021年07月30日