竹にまつわる方言のいろいろ シッチクダケは老人が歩行用のツエンボ(杖)として用いた

   竹は、昔から建築・工芸・楽器などを作る材料として貴重なものでした。家庭用品としても、籠(かご)、笊(ざる)、タカボキ(竹の枝で作った箒)などがあります。竹製の飾り物などもあります。そこで竹にまつわる方言について述べてみましょう。

   二本のタケンボ(竹竿)に横木(台)を結びつけ、そこに足をのせて立つと背丈が高くなります。子どもたちはそのようすを誇らしげにあちこち歩き回りました。これを共通語では竹馬(たけうま)とかたかあしなどといいますが、方言ではユキアシダといいます。"雪の上を歩く高い歯のついた下駄"という意味です。子どもの遊びに”タケンマアスビ”もあります。タケンボー(竹の棒)の枝4本を1センチほどの長さに切り、馬の足にしたのがタケンマです。タケンマの胴体に小石をしばりつけて、引っ張り回して遊びます。

   年を取って歩行が困難になると、からだを支えるツエンボ(杖)が必要になります。ツエンボには軽くて持ちやすい竹を用いました。その竹とは、節と節の間が異常にせまくて、タンコブツ(こぶ)のようなかたまりがいくつもある奇妙な真竹(まだけ)です。このような竹を方言でシッチクダケといいます。タンコブツは、竹の根元の部分にあります。

   「竹やぶでシッチクダケを見たこターネーケ?うちのオジヤン(祖父)が、シッチクダケをツエンボにシテーってユーンで、メッケテルンだけど、なかなかメッカンなくってさあ」

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更新日:2021年08月31日