残らずに食べてしまうことをクッパラウという

育ち盛りの若者はよく運動もしますが、食欲も旺盛で、かつては「テンコチモリ(山盛り)にして三杯も食べた」などといったものです。若者に限らず人一倍たくさん食べる人をオーグレといい、釜の底まで一粒残さず食べてしまうことをクッパラウといいます。

「釜の中には、ご飯がアンナニ(あれほど)あったのに、うちにはワケーモン(若い者)が二人もいるもんだから、キレーニクッパラッチャッタン(残すことなくきれいに食べてしまったん)で……、シャーネー(仕様がない)から、また炊かなくッチャー」

クッパラウは、「食い払う」が訛ったものです。「ハラウ」のつく語には、この外にザンバライとかクチッパライなどがあります。いずれも「食べる」ことに関する方言で、ザンバライは、宴会や集会が終わったあとの食べ残りや飲み物(酒やジュースなど)を、最後まで残っていた人たちが雑談しながら、飲み食いしてしまうことをいいます。クチッパライは、麺類特にそばなどは食べてもすぐに空腹になってしまうので、そばを食べたあとに、ご飯や餅などを食べて腹を満たすことをいいます。

「そばは食べたってすぐに腹がヘッチマウ(減ってしまう)から、クチッパライにご飯でも食べてイガっセナ(食べて行ってくださいよ)」

ザンバライは「残払い」、クチッパライは「口払い」が訛ったものです。

(市民記者・森下 喜一)

この記事に関するお問い合わせ先

総合政策部広報ブランド推進課広報・地域連携係

〒327-8501
栃木県佐野市高砂町1
電話番号:0283-20-3037 ファクス番号:0283-21-5120
お問い合わせフォームはこちら

更新日:2023年09月21日