男女の付き合い方は鶺鴒(せきれい)に学べ

河原や田んぼに降りて、長い尾を上下に振っているせきれいを見かけます。飛び立つときにはチンチンと鳴きながら、大きな波をえがいて飛んで行きます。かつてはこの「せきれい」が訛って、セキリともいっていました。昭和の半ばごろまでは、セキリ以外に、オショーデン(オショデン)といったり、それが訛ってオショレンなどともいっていました。

せきれいについては昔のお年寄りから、「オショーデンは殺しチャーナンネーヨ。作物などにつく害虫を捕って食べる益鳥なんだから。もしオショーデンを殺したら、目がメーナクナッチャーカンナ(見えなくなってしまうからな)」などと聞かされたものです。せきれいは益鳥であるばかりでなく、男女の「恋」とは何か、「愛」とは何かについて教えてくれた貴重な鳥でもありました。

せきれいは地面で餌をついばんでいるときでも、飛び回っているときでも、雌と雄は離れることなくいつも一緒です。この仲睦まじいようすを見て、昔の人は夫婦も恋仲にある男女も、こうあるべきだと教えられたというのです。昔の本に、せきれいは別名オシエドリ(教え鳥)ともいうと書いてあります。男女の付き合い方を教えた「教え鳥」が訛ってオショーデンになったと言われています。

(市民記者・森下 喜一)

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更新日:2023年09月21日