イッチケルは、ふさわしい所に置く、の意だった
棚(たな)や机の上に、物を置いたり載せたりすることを、イッチケルといいます。
「この果物をワリー(申し訳ない)けど、アスコ(あそこ)の食卓に、イッチケテクンネケー(載せてくれませんか)」
イッチケルは「位置づける」から出た語で、ふさわしい場所に置くというのがもとの意味です。イッチケルを略して、チケル(イッケル)ともいいます。イッチケルと同じ意味の語にノッチケルがありますが、これはチケルに「乗る」が結びついてできた新しい語です。
「いくら軽い荷物だからって、ジデンシャ(自転車)の荷台にノッチケテ行った方が楽ダンベサ(楽でしょうよ)」
イッチケルに対して、イッチカルがあります。これは「(物の上に)乗る・腰掛ける・座る」という意味で、チカル(イッカル)ともいいます。
「そこにあるデッケー石ッコにイッチカッテ(腰を下ろして)、休ンベジャネーケ(休みませんか)」
イッチカルと同じ意味の語に、ノッチカルがありますが、これもチカルに「乗る」が結びついてできたものです。
「山の中腹で、丸太ンボの上にノッチカッテ(腰掛けて)、弁当を食べた」
古くからあるイッチケルやイッチカルは、今もなお使われていますが、ノッチケルはノッチカルは、ほとんど使われず、一部の高齢者に限られています。
(市民記者・森下 喜一)
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更新日:2019年12月02日