くい違い虎口(くいちがいこぐち)

緑色の木々とピンク色のつつじの花の下の唐沢山城跡の入り口にあるくい違い虎口の写真

皆さんは「虎口」という言葉をご存じですか。虎口とは城館などの防御機能を加えた出入口のことです。戦国時代になると虎口の重要性が増すため、工夫されて形状が変化するようになります。その一つに「くい違い虎口」があります。くい違い虎口とは土塁や石垣を平行でなく、くい違いにすることによって開口部を側面に設けたものです。これにより、寄せ手が城内を直接見られないようにし、直線的に進入できないようにします。また、城内側面からの攻撃が効果的になります。

唐沢山城跡では山頂レストハウスから城内に向うところに、石垣を伴った見事な土塁で構築されたくい違い虎口があります。

くい違い虎口の左右には避来矢山と天狗岩がそびえ、両側から側面の防備をしっかり固めています。更に、『諸国古城之図』の唐沢山城絵図には虎口の内側に「武者詰」の文字が読み取れます。この虎口は土塁の規模や入念な構造から、城内への表玄関とも言えるでしょう。

なお、現在観察できるこの付近の石垣は明治期のものと判断されますが、一部には古い時代の石積みも残されているようです。

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更新日:2019年12月02日