隼人屋敷の地下には…
今回は、地下の状況を調べる遺構確認調査についてです。
隼人屋敷は唐沢山西麓の根小屋のほぼ中間に位置します。東西約80メートル、南北約90メートルに整地され、周囲に堀が巡ります。
調査の結果、地中からこれまで知られていなかった石垣や石積みなどが発見されました。本丸周辺の近世初頭の石垣と規模や技法が異なったものです。主要な進入路に伴うものと判断されます。隼人屋敷には変遷が認められますが、廃城時となる最終段階よりも古い時期のものです。この東側には礫群や石組溝も確認されています。
出土した陶磁器は16世紀中~後期のものを中心とします。土器では伝統的な儀式や宴席などに多く使用された、かわらけと呼ばれる素焼きの皿が9千点以上も出土しています。大きさや形、技法に違いが認められますが、一定の年代幅で破棄されたものと判断されます。
これらの分析や検討は今後も必要ですが、隼人屋敷の地下には、極めて貴重な資料がたくさん残されていました。
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更新日:2019年12月02日