広報さの令和4年1月号 新春対談

市民記者の尾島さん、福田さんが、市政運営について金子市長に聞きました。

(尾島・福田)明けましておめでとうございます。本日はいろいろなお話をお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。

(市長)よろしくお願いします。

(葛貫)さて市長、昨年を振り返ると、どのような年でしたか。

(市長)昨年4月に市長として着任し、約8カ月市長職を務めさせていただいておりますが、毎日緊張の連続の中で仕事をしております。特に「新型コロナウイルス感染症対策強化」と「台風19号からの復旧復興の加速」の2点を公約の重点課題に掲げておりましたので、その取り組みの実現を目指し、中心的に進めてきたところです。

市街地の活性化について

(福田)中小店舗の閉店など、市街地の現状は厳しい状態にあると思いますが、何か対策などはありますか

(市長)商店街の空き店舗の利活用などは、十分に考えていかなければならない課題です。そのためにも、佐野商工会議所や、あそ商工会との連携を密に行いたいと考えております。
例えば既存の取り組みのほかに、新たに、あそ商工会の若い世代の方々と意見交換をしながら、限られた資源をブラッシュアップすることで、田沼駅および葛生駅周辺の魅力を創出し、活性化につなげていければと思っております。

感染症対策としての防災行政無線の活用とその効果について

(尾島)新型コロナウイルス感染症の陽性者数が多かったころ、金子市長の肉声による防災行政無線の放送がありましたが、どのような考えにより実施されましたか。また、それに対する市民の反応はどのようなものでしたか。

(市長)全国的に緊急事態宣言となり、佐野市でも多くの陽性者が出ました。ホームページやSNSなどを使った発信は以前から行っておりましたが、非常事態であり、どうしても市民の皆さんに緊張感を持った取り組みをお願いしなければならないということで、私が自ら発信をさせていただきました。
また、時間帯や時期によって放送内容も変更することで、より効果的な呼び掛けができるよう取り組みました。
市民の皆さんからは、「放送回数が多い」などといった厳しいご意見を頂戴することもありましたが、「ことの重大性を感じた」、「改めて対策をしなければいけないと感じた」などおおむね好意的なご意見を頂いております。
またその他にも、私自らが商業施設などに赴き、感染症対策を呼び掛ける「のぼり」を持って巡回させていただくことで、市民の方や市外からのお客さまなどに直接注意喚起をさせていただきました。

中山間地域の過疎化について

(福田)中山間地域における若者流出や過疎化などの問題に対して、何か対策はありますか。

(市長)子どもたちが、大学や高校進学で佐野市を出たとしても、また戻ってこられるような環境づくりが必要だと思います。
佐野市は教育先進市です。市立、私立、県立という多様な教育機関があるので、公立私立ともにしっかりと連携をして取り組み、この地域の教育力を上げていくことが必要だと考えております。
また、キャリア教育の重要性をもう一度見直す必要があると思っております。それと同時に、職業につながる資格試験の受験に対して来年度から補助制度を創設したいと考えております。
また、子どもたちが地場の産業を知る機会を教育の中でつくっていきたいと考えています。中山間地域については職住接近を進めたり、新たな地場の産業を創出することによって、地元で働きたいと思える環境づくりを積極的に行っていけたらと考えております。
そして、最終的には、中山間地域の活性化につなげていければと考えております。

国際クリケット場の活用について

(尾島)クリケット場について、今後どのような活用法を考えていますか。

(市長)世界では、クリケットはサッカーに次いで2番目に競技人口が多いスポーツで、東南アジアやインドなどの地域で盛んに行われています。
クリケットの事業が最終的に目指すのは経済です。これからは海外との経済交流を市が直接行う時代であり、クリケットは、そのためのツールとして活用できると考えております。
クリケットをとおして、経済交流、産業振興、教育・国際交流等を図ることで地域の活性化につなげるということを、市民に向け伝えていく必要があると考えております。
また、国際クリケット場については、クリケットだけでなく、グラウンドゴルフや子どもたちのサッカーなど、さまざまな用途にご利用いただけます。そして、整備などはクリケット協会の方々が行っているということも、市民の皆さんに知っていただければと思います。

若者の移住・定住について

(福田)佐野市外に出てしまう若者が多い現状に対して、若者を地元に引き寄せるための対策はありますか。

(市長)若者が住み続けたくなる魅力ある環境づくりが必要だと思っております。例えば、東京圏へ通勤する方への支援は、現在バス利用の方を対象に実施しておりますが、今後は鉄道など他の手段を利用されている方への支援も検討しながら、定住促進を図ってまいります。また、地域おこし協力隊の方々とも連携して、佐野の良さを発信していければと考えております。その他、市では移住者に対しラーメン店の創業を支援する「佐野らーめん予備校」を実施しておりますが、その卒業生には開店した方もおり、移住・定住につながっております。

燃えるごみの分類について

(尾島)佐野市ではプラスチックごみも燃えるごみとして出すことができますが、今後燃えるごみの分類を細分化することは考えていますか。

(市長)現在、市ではプラスチックごみを燃えるごみとして収集しています。これは、市のガス化溶融炉の仕組みとして、ごみを燃やすときの燃焼温度を上げるためにプラスチックごみを利用しているためです。今後も本市の燃えるごみの適正な処理を維持するために、そのような形の利用をしていきたいと思っております。なお、ごみを燃焼した後にスラグというものが生成されますが、それは道路の建設材料などとして有効活用しております。
また、今後、プラスチックを含めたごみの分別を変更する場合には、市民の皆さんにご協力いただくことになりますので、よろしくお願いします。
なお、みかもクリーンセンターは、地元の方々の協力や、稼働に関わってくださっている関係会社の方々の努力によって、今まで事故無く運営ができております。そのような皆さんの協力のおかげで、日々の生活が成り立っていることを忘れてはならないと思っております。

メガソーラー開発に伴う規制について

(福田)メガソーラー開発に伴う山林伐採の影響で、大雨による出水や土砂崩れなどが危惧されています。こうした開発行為に対する規制や対策はありますか。

(市長)森林法などによる規制のほかに、市では「佐野市自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和条例」を制定しております。それにより、急傾斜地などの土砂災害警戒区域を「保全地区」に設定し、同地区内でのメガソーラーの設置を許可制にするなど対策を実施しております。また、設置に関する対策のほかに、土砂災害が起こりそうな警戒区域については、事業者に対し有事における連携体制および対応手順の整備を求め、地域住民の安全安心を確保することが必要だと考えております。

未来に向けた取り組みについて

(尾島)将来の佐野市について、どうお考えですか。

(市長)私は政治の経験が30年ほどとなりますが、基本姿勢として、人とのつながりを大切にしております。「進化する佐野市」、「選ばれる佐野市」を掲げ、住んでいる方からも、市外の方からも選んでもらえる環境をつくりたいと思っております。
また、来年度から、第2次総合計画中期基本計画が新たにスタートします。それにより私が考えている施策を具現化する一歩を踏み出したいと考えております。
例えば、今の第3子からの保育料の無償化を、来年度から第2子にします。そして、高校生までの医療費の無料化についても、来年度から始めます。
それ以外にも、仕事を退職された高齢者の方が、地域社会で様々な活動を始められるよう支援するために、「(仮称)シニア地域デビュー条例」を制定したいと思っております。また、健康づくりに焦点を当てた「(仮称)健康長寿佐野づくり推進条例」を制定し、人生百年時代を迎える中で、すべての方がより元気になれるような環境づくりが出来ればと思っております。
また、来年度から組織改編を行い、デジタル化への取り組みや企業誘致について課を設けて取り組みます。さらに、行政が技術力を持つため、技術センター部を新たにつくり、公共工事の総合的な調整などを行う予定です。

(尾島・福田)佐野市の進化が楽しみですね。今日はいろいろお聞かせいただき、ありがとうございました。

(市長)ありがとうございました。

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更新日:2021年12月28日