つまらないこと、余計なことをタコトという

意味のわからないつまらない話を、共通語では寝言といいます。寝言と同じ意味の方言にタコトがあります。タコトにはいい加減だとかでたらめという意味もあります。しかし、最近は中高年者でも、このタコトを使う人はめっきり少なくなっています。

「タコトいうンじゃネーよ。そんなコター(ことは)、だれが聞いたって信じネよ。エーカゲン(でたらめ)だってコター(ことは)、自分だってわかりそうなもんだけどねえ」

常識では考えられないようなことば、はなはだしくばかげたことばを、共通語で戯言といいます。方言でいうタコトは、この戯言が訛り、意味変化したものです。

意味・用法などがタコトとよく似ている方言に、ヘデナシがあります。これは、普通ろくでなしという意味で使われますが、でたらめ(な人)・うそ(をいう人)という意味もあります。ヘデナシはヘデーナシともいい、下品で俗っぽいことばといわれています。昭和の中頃までに男性ことばとして使われていました。

「あの男は、エー加減なことべー(ばかり)べらべらクッチャベッテ(しゃべって)るンで、デホーラク(口まかせ)もんといわれているよ。ヘデナシともね」

ヘデナシは、“屁出なし"がもとのことば。屁さえも出さないようなけちんぼうで、つまらない男という意。ヘデモネーもことばの成り立ちは同じだと言われています。

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日