伊藤若冲《菜蟲譜》

更新日:2024年07月19日

茄子、瓜、小さな椎茸と大きな椎茸、しめじ、柿、栗が描かれた伊藤若冲の菜蟲譜
蛙、おたまじゃくし、ゲンゴロウ、ドジョウが描かれた伊藤若冲の菜蟲譜
伊藤若冲《菜蟲譜》全体
作品情報
作品名 菜蟲譜
作品名よみ さいちゅうふ
作者名 伊藤若冲
作者名よみ いとう、じゃくちゅう
作者生没年 正徳6-寛政12年(1716-1800)
制作年 寛政2年(1790)頃
寸法(センチメートル) 縦31.8、長さ1095.1
材質技法・員数 絹本着色、一巻
備考1 重要文化財
備考2 題:福岡撫山、跋:細合半斎
English ITO Jakuchu(1716-1800)
 Saichufu(Compendium of Vegetables and Insects)
Date:c.1790
 SIZE:H31.8cm W1095.1cm
 Quality:Handscroll;ink and colors on silk
 Important Cultural Property

作品解説

江戸時代中期の京都の青物問屋に生まれ育ち、近年ますます多くの人を惹きつけている画家・伊藤若冲の晩年の作品です。
11メートル弱におよぶ巻物を広げるにしたがい、前半には野菜や果物が、後半からは昆虫や爬虫類などの小さないきものたちが次々と現れます(野菜・果物等約100種、昆虫等約60種)。かれらのどこかユーモラスな姿からは、若冲の慈しむような視線が感じられます。
 巻頭には大坂で書家として知られていたらしい福岡撫山(仲国、1728-?)による題字、巻末には大坂の著名な詩人・細合半斎(1727-1803)による跋文があります。
 

作品展示に関するお知らせ

当館での展示情報[2024年5月24日修正]

菜蟲譜かえる部分

令和6年度(2024)の佐野市立吉澤記念美術館での《菜蟲譜》の展示は、下記のとおり予定しております。

展示期間:2024年12月3日(火曜日)~15日(日曜日)

公開場所:佐野市立吉澤記念美術館

他館での展示のお知らせ

サントリー美術館「虫めづる日本の人々」での展示は終了しました

展覧会会期:2023年7月22日(土曜日)~9月18日(月曜祝日)

複製常設展示のお知らせ

  • 高精細複製(紙本印刷)常設展示のお知らせ
    《菜蟲譜》は、原本の出ていない時期は原則として複製を展示します。
    2メートルほどの部分を場面替えしながら公開。
    休館日にご注意ください。

《菜蟲譜》の調査研究・文化財保護について

《菜蟲譜》の図版が掲載されている当館刊行物

  1. 図録『伊藤若冲《菜蟲譜》—光学調査・修理を終えて』2014年
    光学調査の概要、修理の概要ほか
    (注意1)作品は菜蟲譜のみ掲載しております。
    (注意2)菜蟲譜連続図版(縦13センチメートル)に描かれた野菜・虫などの名称を添えてあります。
  2. 特別企画展『東と西の蕪村—伊藤若冲「菜蟲譜」期間限定公開—』2016年
  3. 開館10周年記念図録『佐野市立吉澤記念美術館コレクション選』2012年
  4. 開館20周年記念図録『吉澤コレクションを読み解く』2023年

くわしくは刊行物のページをごらんください

デジタルコンテンツ作成と公開について(2019年4月公開)

東京文化財研究所文化財情報資料部により、光学調査(下記)の際の画像や調査結果をまとめた「デジタルコンテンツ」が作成されました。
同研究所(東京都台東区)内の専用端末にて、高精細カラー画像、近赤外線画像、蛍光エックス線分析による彩色材料調査の結果などをご覧いただけます。
くわしくは下記リンクにてご確認ください。

複製について

(2016年4月公開)

平成27年度(2015)、修理後の画像による2件の複製が製作されました。

  1. 東京文化財研究所への委託研究による複製(絹本印刷、巻子装)
  2. 特定非営利活動法人「京都文化協会」による寄附(紙本印刷、巻子装)

解体修理について

(2013年3月完了)

伊藤若冲《菜蟲譜》は、平成23〜24年度(2011年4月〜2013年3月)にかけて、国庫補助・県費補助を受けて解体修理を行いました。
修理の概要は上記図録1.で報告されています。

光学調査(東京文化財研究所との共同研究)について

(2014年3月完了)

平成22・23・25年度(2010・2011・2013)に、独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所との共同研究として、伊藤若冲《菜蟲譜》の光学調査を行いました。
高精細カラー画像・近赤外線画像の撮影および作成、蛍光エックス線分析による彩色材料調査を行いました。
調査の内容・成果は『伊藤若冲《菜蟲譜》の光学調査報告書』(東京文化財研究所、2014)で報告され、当館でもこれを踏まえた図録(上記図録1.)を刊行しています。

重要文化財指定について

(2009年7月告示)

当館所蔵の江戸時代の絵画、伊藤若冲《菜蟲譜》は、平成21年(2009)7月10日付けで官報告示され、重要文化財に指定されました。
(注意)指定名称「絹本著色菜蟲譜〈伊藤若冲筆/七十七歳の款記がある〉」
(官報号外第146号、文部科学省告示第106号)

吉澤記念美術館キャラクター「かえるさん」紹介

かえる緑拡大

名前:かえるさん
こんなキャラ:
伊藤若冲《菜蟲譜》の巻末近くに登場するかえるさんです。
いつも、ご来館の皆様が無事お家に「かえる」ことを見守り、美術館にまた「かえ」ってきてね!と願っています。
美術館のあちこちにいますので、発見したら「ラッキー」と思ってください♪

《菜蟲譜》とあそぼう

おうちで吉美(オンラインコンテンツ)

おうちで吉美

《菜蟲譜》に関する動画やかんたん工作をお楽しみください

《菜蟲譜》のミニ巻物をつくろう!

吉澤記念美術館ラウンジのかんたん工作コーナーで、《菜蟲譜》のミニ巻物を作ることができます。ご来館の記念にぜひどうぞ。

ミニ菜蟲譜

 

学校教育との連携

ICT技術を活用したレプリカ出張授業(佐野市立赤見中学校)2021年12月6日・9日

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20211209学校

市内の赤見中学校の3年生の美術科で《菜蟲譜》の複製(レプリカ、京都文化協会制作)を用いた鑑賞受業を行いました。これまでも県内でレプリカ出張授業は何度か行ってきましたが、今回はタブレットと電子黒板を活用したハイブリッドバージョンです。高精細の細部画像を電子黒板に写して見どころを紹介したり、生徒たちが各自タブレットで撮った野菜や蟲たちにセリフをつけたり、模写をしたりしました。

この記事に関するお問い合わせ先

佐野市吉澤記念美術館

〒327-0501
栃木県佐野市葛生東1-14-30
電話番号:0283-86-2008 ファクス番号:0283-84-3655
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