佐野市制20周年記念特別企画展 丸山瓦全と佐野のお宝保護作戦!(2025年1月25日~3月9日)

更新日:2025年01月15日

展覧会情報

瓦全チラシ

予告なく会期の変更や開催中止、限定公開、臨時休館となる場合があります。

ご来館前に開館状況をご確認ください。

佐野市制20周年記念特別企画展「丸山瓦全(がぜん)と佐野のお宝保護作戦!」―エラスムス立像を見つけ、天明鋳物をまもった―

  1. 会場:佐野市立吉澤記念美術館
  2. 会期:2025年1月25日(土曜日)~3月9日(日曜日)
  3. 開館時間:午前9時30分~午後5時
  4. 休館日:月曜日(2月24日は開館)、祝日の翌日(2月12日、25日)
  5. 観覧料:一般520円(470円)
  • ()内は20名以上の団体料金
  • 大学生以下・障害者手帳をお持ちの方とその介添者1名は観覧無料
  • 団体以外は予約不要、入場制限を行う場合がございます
  • 現金のみ

【主催】佐野市、佐野市教育委員会、佐野市立吉澤記念美術館
【特別協力】国立文化財機構文化財活用センター、東京国立博物館
【協力】足利市教育委員会、エラスムス像研究会、(公財)佐野市民文化振興事業団、佐野市天明鋳物振興協議会、佐野商工会議所、大聖院、龍江院

展覧会の概要

栃木県の文化財保護に大きな功績のあった考古学者・丸山瓦全が見出した、栃木県佐野市に関係する文化財を紹介する展覧会です。重要な文化財の「発見」経緯や、また金属類回収令など文化財が危機に瀕した際に瓦全がとった「作戦」を紹介します。
足利の考古学者・丸山瓦全(まるやま・がぜん、1874~1951)は、幼少期を母の実家である葛生(佐野市)の吉澤家で過ごしました。同家は江戸時代後期以来、書画・文物に深い関心を持つ家で、瓦全と同家との親交は晩年まで続きました。そして、瓦全の代表的な功績のうちの2つが佐野の文化財に関するものでした。
最もよく知られた功績が《木造エラスムス立像(伝貨狄尊像)》(以下エラスムス立像)〔重要文化財、龍江院所蔵〕の発見です。大正8年(1919)、旗本・牧野家の菩提寺・龍江院(佐野市)の宝物調査に赴いた瓦全が「貨狄様(かてきさま)」と呼ばれる木像に注目、広く紹介しました。この像は1598年にオランダで建造され、三浦按針らが乗ったリーフデ号の船尾像であることが判明し、瓦全は国内に所在する意義を説いてオランダヘの流出を阻止し、昭和5年(1930)に旧国宝の指定を受けました。 本展では同像と共に本像を護り伝えてきた龍江院の作品・資料や発見経緯を示す資料を紹介し、貴重な文化財を護り伝え、その価値を語ることの重要性をご紹介します。
もう一つの功績は、明治末期頃から取り組んだ天明鋳物研究です。戦時の金属類回収令のもとで供出が進む中、瓦全は鋳物の保護と銘文の記録を進め、重要な梵鐘についての保護を求めました。その際、エラスムス立像の保護をめぐる経験が活かされたとも指摘されています。本展では、瓦全の保護活動を示す資料と共に、天明鋳物の名品を紹介します。その目玉として、最も複雑で高度な技術で制作された《鋳銅梅竹文透釣灯籠》天文19年(1550)〔重要文化財・東京国立博物館所蔵(以下「東博本」)〕と《鋳銅梅竹文透釣灯籠》天文14年(1545)〔重要文化財・引地山観音堂所蔵・佐野市郷土博物館寄託〕のそろい踏みとなります。さらに、丸山瓦全が制作を依頼した東博本の「写し」である香取秀真《鋳銅梅竹文透釣灯籠写》大正13年(1924)〔吉澤コレクション〕を展示します。東博本を激賞した近代金工の巨匠・香取と瓦全の関心の深さ、そして二人の関係性を示します。
上記のような瓦全の活動は、戦後の佐野の文化財保護行政の重要なルーツとなっています。佐野市では近年「天明鋳物のまちづくり」を推進し、令和5年(2023)1月に「天明鋳物」が商標登録され、また令和6年(2024) 3月に「佐野の天明鋳物生産用具及び製品」が国の「重要有形民俗文化財」指定を受けました。瓦全の活動をたどることは、現在佐野市全体で進める「天明鋳物のまち」としてのルーツを確かめることにもなります。
なお、佐野市は令和7年(2025) 2月に市制20周年を迎えます。本展を開催することで、佐野の文化財の重要性と市域が文化的につながりが深いことを知り、郷土への愛着を深める機会となれば幸いです。

国立博物館収蔵品貸与促進事業

本展覧会は独立行政法人国立文化財機構 文化財活用センターの「令和6年度国立博物館収蔵品貸与促進事業」の支援を受けて開催いたします。

貸与事業バナー
東京国立博物館バナー

佐野市制20周年記念事業

佐野市制20周年ロゴ4C_s

佐野市は令和7年2月28日に市制20周年を迎えます。

本展覧会は佐野市制20周年記念事業の一環として開催します。

主な展示作品

小豆とぎ婆?貨狄様?実はエラスムス立像!西洋の思想家・大航海の目撃者でした

木造エラスムス立像_正面

「木造エラスムス立像」

重要文化財

慶長5年(1600)来着

龍江院(佐野市)所蔵
画像提供:東京国立博物館 Image: TNM Image Archives

エラスムス立像拓本

丸山瓦全

「エラスムス立像拓本」

大正9年(1920)

個人蔵

■エラスムス立像100年ぶりの里帰り!■
エラスムス立像は、『帝室博物館年報 大正14年』(帝室博物館、大正15年発行)に「初出品」として写真と解説が掲載され、瓦全も『考古学雑誌』16-8(大正14年8月5日)で帝室博物館に同像が出陳されたことを言及しています。その他調査でも、佐野への里帰りは大正14年(1925)以来100年ぶりであることが確認できました。(帝室博物館は東京国立博物館の前身)
参考:帝室博物館 編『帝室博物館年報 大正14年』帝室博物館、大正15年
国会図書館デジタルコレクション:https://dl.ndl.go.jp/pid/984257 (参照 2025-01-14)

■寺外初公開!エラスムス立像に夢中の瓦全さんが忘れた近世絵画の重要作品

瓦全展達磨像カラー

狩野常信「達磨像額」

承応3年(1654)

龍江院(佐野市)所蔵

瓦全展達磨像モノクロ

狩野常信「達磨像額」

近赤外線正斜投影画像

撮影:有限会社三井考測

■16世紀の超絶技巧に近代金工の巨匠が挑む!

透釣燈籠_東博

「鋳銅梅竹文透釣燈籠」

重要文化財
天文19年(1550)

東京国立博物館所蔵
Image: TNM Image Archives

香取秀真「鋳銅梅竹文透釣燈籠写」

香取秀真作・丸山瓦全依頼

「鋳銅梅竹文透釣燈籠写」

大正13年(1924)

吉澤コレクション

瓦全展釣燈籠引地山観音

「鋳銅梅竹文透釣燈籠」

重要文化財

天文14年(1545)

引地山観音堂(佐野市)所蔵

瓦全展釣燈籠笠拓本2

丸山瓦全「観音堂透釣燈籠笠拓本」

個人蔵

■戦争中の金属供出を生き延びた梵鐘たち!

瓦全展大聖院拓本2

「大聖院銅鐘拓本」

元文4年(1739)

大聖院(佐野市)所蔵

銅鐘は佐野市指定有形文化財

瓦全展保留推選梵鐘3

丸山瓦全「保留推選梵鐘」

昭和17年(1942)9月

個人蔵

 

瓦全展西光院梵鐘供養文

広円「西光院梵鐘供養文」

昭和23年(1948)12月

個人蔵

■瓦全さんは葛生高等小学校(佐野)の卒業生!

瓦全展小学校卒業写真

「葛生小学校内高等小学校第一期卒業生記念」

明治23年(1890)

個人蔵

瓦全展73歳写真2

「丸山瓦全七十三歳」

臼井伊三郎撮影、丸山瓦全裏書

昭和21年(1946)

個人蔵

地域交流センター(美術館内)での関連展示

1.佐野の天明鋳物生産用具および製品パネル展

2.天明鋳物の現代作品展示

3.エラスムス像研究会によるパネル展示

日時:2025年1月25日(土曜日)~3月9日(日曜日)

会場:地域交流センター(美術館内)

料金:入場無料

エラスムス像研究会の展示のみ解説ボランティアがいます(会期中の土・日・祝日10:00~15:00)

会期中の催し物

美術館主催イベント

特別講演会「エラスムス立像の来航と継承について」

こちらの講演会は定員に達しました。

日時:2025年2月8日(土曜日)午後2時~午後3時30分

講師:森良和氏(元玉川大学教授)

会場:佐野市葛生地区公民館

申込:12月11日(水曜日)午前9時~(申込方法はこちらから)

【変更】講演会名称を「エラスムス像」→「エラスムス立像」に変更しました。チラシ等との記載に相違が生じますが、今後は「エラスムス立像」に改めさせていてだきます。(2024年12月16日更新)

特別講演会「丸山瓦全と佐野」

日時:2025年2月22日(土曜日)午後2時~午後3時30分

講師:竹澤謙氏(栃木県考古学会顧問)

会場:佐野市葛生地区公民館

申込:12月11日(水曜日)午前9時~(申込方法はこちらから)

【訂正】ホームページの一部箇所で開催日程が「2月15日」となっておりましたが、2月22日が正しい日程です。ここにお詫びし、訂正いたします。(2024年12月16日)

美術館の電話受付時間

1月24日(金曜日)までは月曜日~金曜日

【注意】1月13日(月曜日・祝)は受付不可

1月25日(土曜日)以降は月曜日以外

各日9:00~17:00

展示解説会(申込不要)

日時:2025年2月11日(火曜日・祝日) 各30分程度

午後1時~:天明鋳物生産用具及び製品(パネル展解説、参加無料)

場所:地域交流センター

解説者:文化財課職員

午後2時~:丸山瓦全と佐野のお宝保護作戦!展(作品解説、要当日観覧券)

場所:美術館展示室

解説者:吉澤記念美術館学芸員

午後3時~エラスムス立像について(パネル展解説、参加無料)

場所:地域交流センター(美術館内)

解説者:エラスムス像研究会

佐野市天明鋳物振興協議会主催イベント

講談師 旭堂南明(きょくどう なんめい)の会

演目:「難波戦記発端 方広寺の鐘の巻」

日時:2025年1月25日(土曜日) 1回目:午後1時~/2回目:午後3時~

会場:旧吉澤家住宅(瓦全ゆかりの家)

定員:各回30人

費用:無料

申込:1月8日(水曜日)午前9時~電話にて受付開始

【注意】

1.一度のお申込につき、2名様まで受付いたします。

2.どちらか一つの回を選んでお申込みください。

3.申込後、やむを得ずキャンセルする場合は、必ずご連絡をお願いします。

若手鋳物師によるワークショップ

1.デコレーションベーゴマ作り

日時:2025年2月1日(土曜日)午後1時~午後3時

講師:栗崎総一郎さん(栗崎鋳工所)

費用:1個につき300円

会場:葛生地区公民館

申込:2025年1月8日(水曜日)午前9時~ホームページにて受付開始(こちら)

2.天明鋳物体験講座~錫のお香立て作り~

日時:2025年2月16日(日曜日)午後1時~午後4時

講師:江田委織さん(和銑釜 江田工房)

費用:3,000円

会場:葛生地区公民館

申込:2025年1月15日(水曜日)午前9時~ホームページにて受付開始(こちら)

3.世界でひとつの作品(お皿)作り

日時:2025年3月1日(土曜日)午後1時30分~午後3時

講師:若林美延さん(若林鋳造所)

費用:4,000円

会場:若林鋳造所(佐野市大祝町2398)

申込:2025年1月22日(水曜日)午前9時~ホームページにて受付開始(こちら)

講談とワークショップの問合先

佐野市役所産業文化スポーツ部文化推進課天明鋳物まちづくり係

電話:0283-20-3044

ホームページ:こちらから

葛生図書館主催イベント

講演会「丸山瓦全と佐野のお宝保護作戦!」

日時:2025年2月15日(土曜日)午後2時~午後3時30分

講師:末武さとみ(吉澤記念美術館学芸員)

会場:佐野市葛生地区公民館

ホームページ:こちらから

申込:1月15日(水曜日)9時~電話にて受付開始

図書館主催講演会の申込・問合先

佐野市葛生図書館

電話:0283-86-3416

ごいっしょに

佐野市の文化施設等

この記事に関するお問い合わせ先

佐野市吉澤記念美術館

〒327-0501
栃木県佐野市葛生東1-14-30
電話番号:0283-86-2008 ファクス番号:0283-84-3655
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