吉美日誌(2022年~)
「吉澤記念美術館では、こんなことをやっています」とご報告します。
2023年3月の記事
2023年3月24日(金曜日)展覧会のみどころ2「児玉果亭の初公開屏風」

児玉果亭《飯盛松之真図》第二双。初公開の屏風です。
この屏風は、六曲一双×二組から成る作品です。4月16日までは第二双のみ、4月18日からは第一・二双揃って展示します。
飯盛松は長野県にあった名木で、明治11年(1878)にも果亭は描いており、明治天皇のご覧に入れたことが知られています。この屏風は「野州葛生吉澤氏」から「大屏風」の依頼を受けて明治32年(1899)に再度現地写生した上で制作したものであることが、山之内町教育委員会所蔵資料によって確認されました(山之内町立志賀高原ロマン美術館協力)。会場ではその写生図の写真を一緒に掲示しています。
当館には吉澤家伝来の掛軸等16点に加え、扇・画帖などがあります。吉澤慎堂為書が入ったものも少なからずあり、経緯は不明ながら明治30年代に親交を持ったことがうかがえます。
児玉果亭(1841~1913)は長野県の渋温泉に生まれ、江戸時代末から明治期に活躍した南画家です。各地を遊歴、京都の田能村直入に学んだ後、郷里に居を定めました。明治期に開かれるようになった絵画共進会で高い評価を得て、全国的に知られる存在となりました。なお、果亭が銀章を得た明治19年の第一回東洋絵画共進会では、足利の田崎草雲も銀章を、昨年当館で展覧会を開催した王欽古(佐野住)は銅章を得ています。翌20年には果亭は足利の草雲を訪ねています。明治期には地方在住の南画家が多く活躍しましたが、その重要な一人として当館でも注目したいと思います。
志賀高原ロマン美術館では4月2日まで「児玉果亭展」を開催中です。果亭作品が多くみられる貴重な機会です。お見逃しなく!
(す)
2023年3月24日(金曜日)展覧会のみどころ1「美術館でもお花見を」
美術館の周りでもソメイヨシノが咲き始めました。美術館のオオシマザクラのつぼみはまだまだ堅いですが、レンギョウの垣根がきれいです。展示室でも塚原哲夫、戸倉英雄、野村文挙作品の桜がお待ちしています。(す)

美術館横の川沿いの桜。葛生伝承館のフレスコ壁画と一緒にお楽しみください。フレスコの公開制作は5月11日~25日を予定しています。

レンギョウと美術館

野村文挙《嵐山清水寺全景図》(栃木県指定有形文化財、当館寄託)より。
野村文挙は京都・四条派の画家で、明治19年(1887)に東京に移りました。文挙は佐野の文人・須永元(岡本黄石門人)の屋敷を描いた《須永屋敷の図》(佐野市郷土博物館)も制作しており、当地を訪れた可能性があります。
展示の屏風は金地に墨で描かれた京都を代表する名所です。一見すると桜の存在に気づきませんが、しばらく眺めていると桜が浮かび上がってきます。墨点の下から光る金が、春の光に輝く桜のようです。この作品のみ、4月16日までの期間限定公開です。
2023年3月23日(木曜日)「そっとひらいてみれば」後期展示が始まりました
「そっとひらいてみれば」後期展示が始まりました。後期は近代が中心です。工芸も大幅に入れ替わりました。展示風景をご紹介します。(す)

戸倉英雄《芳春の庭》(初公開)、塚原哲夫《幻春》
美術館の中でも桜が咲いています。

寺崎広業、滝和亭。画集と扇と屏風に咲く紅梅、白梅。

福岡青嵐、小室翠雲、川端龍子ほか。画帖に収められた色紙と、屏風に貼られた色紙。
色紙のふるさとは屏風です。オシドリ型の屏風おさえもがんばっています。

工芸は「ふたのあるかたち」。板谷波山、島田文雄、宮之原謙、齊藤勝美、廣瀬義之。
赤塚自得(漆工)がよく映えます。

野村文挙《嵐山清水寺全景図》栃木県指定文化財。桜の季節、4月16日までの限定公開です。

細合秀畝《秋の野辺》、児玉果亭《飯盛松之真図》。いずれも初公開の屏風です。
児玉果亭はもう一双が4月18日から公開の予定です。

細合秀谷、大正昭和期の画集。展覧会カタログや美術雑誌、画集など。

日本の近代化に大きく寄与した幕末明治の漢訳洋書を出版した万屋兵四郎こと福田鳴鵞は葛生(佐野)そだちの文人です。海外の新聞や書物の挿絵を木版で覆刻した挿絵も魅力的です。

明治の人々は、真面目な学術書だけでなく、コメディやラブロマンスを通じて外国の社会や文化に接しました。落合芳幾ほか。
2023年3月17日(金曜日)ひきがえるたちが遊びに来ました


春ですね。「そっとひらいてみれば」後期展示替えの日に、ひきがえるたちも応援に来てくれました。(す)
2023年1月の記事
2023年1月21日(土曜日)そっとひらいてみれば展(前期)が始まりました




そっとひらいてみれば展前期展示が始まりました。
前期は江戸時代を中心に構成しています。
「屏風を読む、本で知る」「屏風が作る華やぎの空間」「南画四季折々」「北斎が描くものがたり」「屏風と本のあるところ」「王朝文学に親しむ」「皆に貸す、皆で読む」などのコーナーを設け、屏風と本を往還しながらお楽しみいただける内容となっています。ぜひご来館ください。
(す)
2022年11月の記事
2022年11月19日(土曜日)タイムカプセル展後期が始まりました

吉澤家の人々(古写真・油彩・彫刻・漫画による肖像・似顔絵)

コレクション・収集方法の変遷(南画からより玉堂・雅邦へ)

市井展カタログ・美術雑誌掲載図版と吉澤コレクションが一致。

扇子がぎっしり入っていた箱と田崎草雲扇面(吉澤松堂為書)。まさにタイムカプセル。
コレクションは文化のタイムカプセル展(後期)が始まりました。
明治から昭和前期にかけての吉澤家の3代の当主の収集活動を作品・資料と共にたどります。「関東南画の良き友」から「近代美術市場の良き顧客」へと収集環境と共に対象作品も広がる様子をご紹介しつつ、関東南画の残響にも注目します。「受け手」の視点からの近代美術史としてもお楽しみください。
なお、天明鋳物コーナーは前期に引き続き展示していますが、大正・昭和前期の当主・晃南が収集した彫金・漆工作品も追加しました。板谷波山ほか陶芸作品とあわせて、近代工芸の魅力も味わえる展示となっています。
(す)
2022年11月5日(日曜日)《菜蟲譜》掲載図書のご紹介


『伝統の美がひかる! 江戸の時代の天才絵師 伊藤若冲』(山下裕二監修、ほるぷ出版、2022年)に、当館蔵の若冲作品《菜蟲譜》が掲載されています。豊富な図版とイラストでわかりやすく若冲について知ることができます。裏表紙も《菜蟲譜》です。現在開催の「コレクションは文化のタイムカプセル」展では《菜蟲譜》原本を公開中!11月からは巻き替えを行い、巻物の後半部分をご覧いただけます。解説で「あいきょうたっぷり」とご紹介いただいたお馴染みのカエルも登場します。本書は館内のエントランスに設置の図書コーナーでも閲覧いただけます。どうぞ合わせてお楽しみください。(お)
2022年10月の記事
2022年10月30日(日曜日)3年ぶりの葛生ワンダーランド(若冲まつり)




3年ぶりに葛生ワンダーランドが開催されました。現在、吉澤記念美術館で伊藤若冲《菜蟲譜》が公開されていることもあり、「若冲まつり」と題し、菜蟲譜にちなんだ野菜や果物が当たる抽選会や地元高校生の吹奏楽演奏、ご当地アイドルや和太鼓、バンドのパフォーマンスなど大変盛り上がりました。美術館ほか周辺施設では「トキメキスタンプラリー」を行いました。こちらもとても好評でした。(や)
2022年10月26日(水曜日)展覧会のみどころ(4)天明鋳物の名品の「写し」

香取秀真《鋳銅梅竹透釣灯籠写》当館寄託(吉澤コレクション)、大正13年(1924)

展示風景

側面部分(背後に紙を入れた状態)

底面写真
「コレクションは文化のタイムカプセル」展の第1室では、近代栃木の研究者と吉澤家と題し、丸山瓦全(天明鋳物研究・エラスムス像の発見ほか)、人見伝蔵(高久靄ガイ・中根東里研究ほか)という栃木の美術・文化史研究に重要な足跡を残した近代の研究者たちの資料を展示しています。
この中で特にじっくりご覧いただきたいのが、丸山瓦全の依頼により、近代の代表的な金工家で金工史研究にも功績のあった香取秀真が制作した天明鋳物の名品の「写し」作品です。佐野市所在の重要文化財《鋳銅梅竹文透釣灯籠》(1545年、引地山観音堂所蔵)と兄弟的存在ともいえる、《鋳銅梅竹文透釣灯籠》(1550年、東京国立博物館、重要文化財)を写したものです。明治末年に千葉で土中から発見された東博本を、大正13年(1924)に写したものであることが底面の銘文から分かります。非常に高度な技術で作られた原本について考える際にもよき参考となる貴重な作例です。清掃・修復方針を考えると共に、今後の活用が期待されます。
なお、丸山瓦全は足利出身・在住の考古学者ですが、葛生小学校(佐野)で学んでおり、天明鋳物研究の基礎を築くなど、佐野の美術工芸・考古学研究においても大きな足跡を残しています。香取秀真はその研究活動のよき助言者であり、瓦全は終生敬愛したといいます。瓦全旧蔵の香取秀真作品《猩々》や、従弟にあたる吉澤晃南にあてたハガキ(自身の収集活動を振り返る内容)などと共に展示しています。瓦全・鋳物コーナーは、11月19日からの「後期」でも引き続き展示を行います。(す)
2022年10月25日(火曜日)インターンシップを受け入れました。


10月18日(火曜日)から10月20日(木曜日)までの3日間、佐野市内の高校生をインターンシップとして受け入れました。受付業務や展示室内の看視、資料の整理から館外清掃まで、とても一生懸命取り組んで下さいました。(や)
2022年10月15日(土曜日)展覧会のみどころトークを実施しました

午後2時から、展覧会のみどころトーク「タイムカプセルとしての吉澤コレクション」を実施しました。タイムカプセル展の担当学芸員が、展覧会のみどころと共に、「なぜこれがここにあるのか?を掘り下げることで見えてくるもの」という視点から、受け手から見る美術史・文化史の面白さや江戸時代の佐野の文化的豊かさについてお話ししました。また、午前中には市内の文化活動団体にも同様のトークを実施しました。いずれの参加者の方も熱心に聞いていただけました。(す)
2022年10月6日(木曜日)「菜蟲譜の森」で柿がなっています


今年の柿は、早く熟しました。小ぶりですが今、食べ頃です。(か)
(注意)《菜蟲譜》の画像部分は11月1日~13日に展示します。
2022年10月4日(火曜日)タイムカプセル展(前期)のみどころ(3)靄ガイ顕彰・研究と下野


「コレクションは文化のタイムカプセル」展では、栃木県・佐野市域にゆかりの深い研究者、丸山瓦全・人見伝蔵・篠崎源三関係資料を展示しています。
前期展示では、高久靄ガイの没後まもなくから明治・大正・昭和初期にかけて、靄ガイ顕彰・研究がどのように行われてきたかを示す資料を展示し、ここにおいて下野/栃木県の人々が大きな役割を果たしてきたことを紹介しています。たとえば、明治前期に刊行された『靄ガイ画譜』は鹿沼の船越雲溟や栃木の飯塚疎山所蔵の画帖をもとに制作されています。また、戦前唯一の写真図版による画集『靄ガイ画集』は、佐野出身の画家・松島素雲によって東京で開催された追福展観がもとになっており、吉澤家を含む佐野の蔵幅家の出品が確認できます。また栃木県の重要な歴史研究者・人見伝蔵(大田原・東京住、一時旧制佐野中学教諭)による戦前の連載「高久靄ガイ雑俎」が掲載された雑誌『南画鑑賞』(小室翠雲主宰)や人見が吉澤家所蔵品を問い合わせた書簡、戦後に結実した人見の著書『高久靄ガイ伝』なども展示しています。
「有名人のおもしろエピソード」から、「日本南画史の重要な画家としての位置づけ」そして「より精密で実証的な伝記研究」へと深まる様子の一端をご覧いただければ幸いです。(す)
2022年10月1日(土曜日)陶芸教室を開催しました




「コレクションは文化のタイムカプセル」展で展示中の伊藤若冲《菜蟲譜》にちなんで、陶芸体験教室「器に描く若冲」を開催しました。
当館の陶芸体験教室では、陶芸家・迎泰夫先生のご指導のもと、作品や展覧会に関連づけながら毎回さまざまな技法・器で実施しています。
今回は《菜蟲譜》から人気の野菜、「かぼちゃ」と「なす」をどのように配置するかを考え、撥水剤による縁取りと下絵付けを体験しました。3時間の短い時間ですが、個性豊かなカップが出来ました。ここからは先生にお預けして施釉・焼成した完成品を楽しみに待ちます。
ところで今回は撥水剤でモチーフの周りを無彩色にしましたが、若冲の初期作を除くほとんどすべての絹本作品(絹地に描いた作品)は、モチーフの周りを細く塗り残しつつ背景に淡墨を刷いています。また、「かぼちゃ」や「なす」の彩色はまるで水墨画のように筆のタッチを活かしています。そんな原本の魅力にも気づいていただければ幸いです。(す)
2022年9月の記事
2022年9月30日(金曜日)タイムカプセル展〔前期〕のみどころ(2)版本・画帖


タイムカプセル展(前期)の見どころをご紹介します。
タイムカプセル展では、画家の肉筆画の掛軸だけでなく、木版印刷された版本や色紙サイズの画帖も展示しています。
版本は、江戸時代後期に多数出現した画家たちの画風と住所を載せたカタログのような『百名家書画帖』、高久靄ガイが中国の名画を複製した『梅華道人墨竹譜』、親子二代にわたって交流した画家たちの画を集めた私家版『澹如詩集』(王欽古の師・小田海僊も参加)などがあります。
画帖は吉澤松堂・象水が収集し、どんな画家・書家と交流したかが分かる『江戸明治諸家書画帖』、江戸の文人が収集したミニサイズの画帖『袖裡珍書画帖』があります。
これらの集められ、複製された書画からは、小さい画ならではの魅力を感じることができる一方で、当時の人々がどのように書画を楽しんだのかを考えるヒントが潜んでいます。(す)
2022年9月28日(水曜日)タイムカプセル展〔前期〕のみどころ(1)画家の手紙


「コレクションは文化のタイムカプセル展」(前期)には、おかげ様で遠近から多くのお客様にご観覧いただいています(とはいえ当館は基本的に混雑とは無縁です)。
「タイムカプセル展」(前期)では、画家と吉澤家をはじめとする佐野市域の受容者との交流がテーマとなっています。大小の作品と共に、画家(高久靄ガイ、高久隆古、山本琹谷、枚田水石、岡野竹痴)や蔵幅家(大橋淡雅、菊池澹如)からの手紙14通(江戸時代)が、その交流の様子を具体的に伝えてくれます。
「お待たせしていた画がようやく出来上がりました。申し上げにくいことですが、材料費高騰のため追加料金をお支払いください。」(靄ガイ)「谷文晁のいい墨竹画が出ました。ご収蔵になってはいかがですか?」(靄ガイ)「雨具を貸していただきありがとうございました。無事栃木の宿に着きました。」(琹谷)「いま佐野天明の宿にいます。先代靄ガイの話も聞きたいのでお越しになりませんか?」(隆古)「松茸25本ありがとう。病み上がりの私には無上の珍味です。」(淡雅)などなど。
画家たち、蔵幅家たちの人柄や交流の様子を思い浮かべながらご覧になってはいかがでしょうか。(す)
2022年9月21日(水曜日)タイムカプセル展前期、好評開催中




9月17日(土曜日)から、特別企画展「コレクションは文化のタイムカプセル」(前期)が始まりました。台風は予報より穏やかに通過し、3連休は多くの方にお越しいただけました。
伊藤若冲《菜蟲譜》、香取秀真による天明鋳物の名品の写し(丸山瓦全の依頼)、そして吉澤松堂と高久靄ガイら江戸の画家・文人たちの作品と書簡・資料を展示しています。初公開作品・資料も多数含まれる充実の内容です。ぜひお越しください。前期展示は11月13日まで、後期は大幅に内容が変わります。(す)
2022年9月1日(水曜日)博物館実習最終日




学芸員資格取得を目指す学生さんのための博物館実習を実施しました。6日間の日程で、美術館・博物館と地域との関係性、作品・資料の取り扱い方、展覧会の企画案作成、展示作業の見学・補助などを行いました。次回「コレクションは文化のタイムカプセル展」の準備業務を実際に体験しながら、美術館・博物館についての理解を深めていただけたと思います。(す)
【実習生の感想】
普段目にすることのない収蔵庫の中で「物」や道具の扱い方、展示の根底にある「熱意」を見聞きし、学ぶことができた、充実した6日間でした。この度は大変贅沢な体験をさせていただき、ありがとうございました。17日の展覧会開会を心待ちにしたいと思います。
2022年9月1日(木曜日)ケーブルテレビの取材

吉澤記念美術館が20周年ということで、佐野ケーブルテレビから取材を受けました。菜蟲譜と共に歩んだ20年、美術館の舞台裏(展示替えや調査研究)などについてご紹介いただく予定です。9月16日放映予定ですので、市内の方はぜひご視聴ください。(す)
2022年8月の記事
2022年8月28日(日曜日)ヨルコレ展閉会


コレクション選展の第2弾・ヨルコレ展が無事会期終了いたしました。タキコレ展に引き続き「夜」のテーマも好評で、夏休み期間ということもあり、家族連れや市外の方など幅広い方々にご鑑賞いただきました。「夜」の美術館にご来館くださいました皆様、ありがとうございました。また、ご参加いただきましたヨルコレ作品投票の結果は次回「コレクションは文化のタイムカプセル」展で発表の予定です。どうぞお楽しみに(お)
2022年8月24日(水曜日)オンライン会議

栃木県立博物館長の提案で、県内六か所の博物館の参加でウェブ会議を開きました。各館の抱えている問題、悩み等が共有でき、大変参考になりました。(か)
2022年8月14日(日曜日)感謝デー

本日は開館20周年を祝う「感謝デー」ということで、「ヨルコレ」展を鑑賞された方々にくじ引きをしていただき、プレゼントをお配りしました。景品は「20周年賞」・「吉美賞」・「ヨルコレ賞」の三種です。展覧会やイベントを通じて皆様と楽しく20周年をお祝いしていきたいです。「ヨルコレ」展も会期後半となりました。どうぞ最後まで展覧会をお楽しみください。(お)
2022年8月11日(木曜日)ナイトミュージアム


夜がテーマの「ヨルコレ」展にあわせ、夜間無料開館のナイトミュージアムを開催しました。夜間照明の美術館でご覧になる夜の作品たちはいかがだったでしょうか?数日前から夜になると空には明るい月も照っておりました(明日12日が満月だそうです)。夜の美術館で夏の夜のひと時をお楽しみいただけていれば幸いです。皆様も素敵な夜をお過ごしください。
なお、連動企画で葛生図書館でもこの日は夜のおはなし会が開催されました。(お)
2022年8月9日(火曜日)図書館と夏休みコラボ


先日のおはなし会に続き、葛生図書館と夏休みのコラボワークシートを実施しています。図書館で夜の本を借りたり、美術館で好きな夜の作品を見つけたり、ミッションを完了するとプレゼントもございます。期間は「ヨルコレ」会期中で、どなたでも(大人の方も)ご参加いただけます。反対の面には「ヨルコレ」観賞用ワークシートもついておりますので、お気軽に挑戦してみてください。(お)
2022年8月6日(土曜日)美術館でおはなし会


葛生図書館との夏休みコラボイベントを開催しました。今年は「夜」を題材とした絵本と紙芝居のおはなし会と「ヨルコレ」の鑑賞会を行いました。おはなし会場は「夜」をイメージした飾りや照明です。じっくりおはなしに聞き入る様子や親子で協力してワークシートに取り組む姿が印象的でした。みんなでいろいろな「夜」の表現を見つけてくれました。(お)
2022年8月4日(木曜日)美術の先生の研修会


佐野市中学校教育研究会美術部会の第二回部会が当館を会場に開催されました。
昨年市内中学校で行った伊藤若冲《菜蟲譜》のレプリカと学校のICT技術を活用した出張授業について、当館学芸員と授業を実施した教諭が報告しました。
また、伊藤若冲《菜蟲譜》の2種類の複製を用意し、学芸員による実演と、先生方の取り扱い体験を実施しました。初めて扱う「巻物」に、先生方も緊張した様子で取り組んでいました。
美術館にとっても、授業の組み立てやICT技術をどのように活用するかという学校現場での取り組みの様子が分かり、とても勉強になりました。(す)
2022年7月の記事
2022年7月29日(金曜日)《菜蟲譜》掲載図書のご紹介


『日本のいきものビジュアルガイド はっけん!イモリ』にて、伊藤若冲《菜蟲譜》(当館蔵)のアカハライモリを描いた場面が紹介されています。《菜蟲譜》には56種類ほどの昆虫・両生類が細やかに描かれており、いきものたちを愛でる若冲のあたたかなまなざしが感じられます。本書もイモリの生態が豊富なビジュアルと丁寧な解説でわかりやすく紹介され、いきものへの興味関心・探求心がくすぐられる一冊です。夏休みの読書にもピッタリです。ぜひご覧ください。(お)
2022年7月18日(月曜日)ヨルコレ展開会


ヨルコレ展が開会いたしました。連休ということもあり、初日から多くの方にご来館いただき、ありがとうございました。皆様、幻想的な夜の絵画や工芸に感心されているご様子でした。今回も作品投票を行っているほか、葛生図書館とのおはなし会(8月6日)や夜間無料開館(8月11日)、感謝デーのプレゼント配布(8月14日)などイベントがございます。ぜひお気軽にご参加ください。(お)
2022年7月3日(日曜日)タキコレ展閉幕


本日タキコレ展が無事閉幕いたしました。お越しいただいた皆様、ありがとうございました。美術館の滝めぐりはいかがだったでしょうか?開館20周年という節目もあり、テレビや新聞、ラジオなどさまざまなメディアで取り上げていただきました。「滝」というテーマも好評でした。皆様にご参加いただいたタキコレ投票の結果は次回ヨルコレ展で発表いたします。どうぞお楽しみに!(お)
2022年6月の記事
2022年6月23日(木曜日)中学生の職場体験




6月21日から6月23日の3日間、佐野市の中学生が「マイチャレンジ」ということで美術館へ職場体験に来てくださいました。受付業務や展示室の見守りといった入館者への対応や、美術作品の調査といった珍しい体験まで、とても一生懸命に頑張って下さいました。今回の美術館での体験を大人になっても忘れずにいてほしいと思います。(や)
★参加した中学生の感想
この3日間でいつもと違う視点で吉澤記念美術館を体験することが出来てとてもいい経験になりました。慣れないことで大変なこともありましたが自分には一生、心に残る大切な思い出になりました。この経験を生かしてこの先も頑張っていきたいと思いました。
2022年6月11日(土曜日)県民の日無料開館


6月15日の「栃木県民の日」を記念して吉澤記念美術館では無料開館を行いました。 たくさんの方が来館くださいました。ありがとうございました。(や)
2022年6月4日(土曜日)他館への出講

栃木県那須塩原市にある那須野が原博物館の「那須文化セミナー」の一環として、当館学芸員が「地域ゆかりの文人画家―高久靄ガイと吉澤松堂の交流を中心に―」と題してお話ししました。高久靄ガイは現在の那須塩原市域で生まれ、江戸時代後期の関東南画を代表する画家の一人です。靄ガイと吉澤松堂の交流は当館の「吉澤コレクション」の原点となりました。
なお、今秋の吉澤記念美術館の「コレクションは文化のタイムカプセル」展(前期)にて、靄ガイ・松堂の交流の様子を示す作品や書簡などを展示します。(す)
(靄ガイの「ガイ」は崖から山を除いた字)
2022年6月1日(水曜日)祝・開館記念日!

本日、6月1日は吉澤記念美術館の開館記念日です。当館は開館20周年を迎えました。これを記念し、展覧会を観覧いただいた方に素敵なプレゼントをご用意しました。おみくじを引いていただき、どのプレゼントが当たるかはお楽しみです。
また、開館20周年ということで、各メディアにも取材していただいております。是非ご視聴いただき、展覧会にも足をお運びください。6月11日(土曜日)は、無料観覧日(県民の日)です。栃木県民に限らず、どなたでも無料で展覧会をご覧いただけます。(お)
2022年5月の記事
2022年5月31日(火曜日)ボランティア学習会


ボランティアの皆さん向けに前回の展覧会の報告と、今回の展覧会の説明を行う「ボランティア学習会」を開催しました。長らく休止しておりましたが、久しぶりの開催となりました。(や)
2022年5月29日(日曜日)葛生伝承館フレスコ大壁画公開制作実施中


春秋の風物詩となっている葛生伝承館フレスコ大壁画公開制作が始まりました。今年は短め、5月24日(火曜日)~6月7日(火曜日)の2週間です。午前8時~11時頃まで実施しています(都合でお休みのこともあり)。くわしくはこちらをご確認ください。
制作者の戸倉さん・福島さんが「ここ色こんな感じ?」と軽く打ち合わせながら描き進めていました。
コロナも落ち着いてきた今、見学の方やメディア取材も多いようです。ぜひお立ち寄りください。(す)
2022年5月28日(土曜日)葛生図書館で記念展示実施中

葛生図書館で吉澤記念美術館開館20周年記念展示をしていただいています。当館図録や伊藤若冲、板谷波山、小堀鞆音など美術館のコレクションに関係の深い図書を閲覧・貸出しています(佐野市立図書館へのリンク)。
葛生図書館は美術館の門を出てすぐそこです。ぜひお立ち寄りください。
(連携イベント「夏休み 美術館でおはなし会」も準備中です)
2022年5月27日(金曜日)中学生の見学




市内の中学生が見学に来てくれました。今回は「絵の保存や施設の特徴について取材したい」ということでした。事務職員が交流センターの活用とボランティアさんについて、館長が公園(菜蟲譜の森)・設備(空調機械や収蔵庫)について、学芸員が展示の工夫や調査研究について案内しました。みんな熱心に施設や展示ケースを観察したり、質問したりしていました。普段見られない収蔵庫に驚いたようでした。(す)
2022年5月20日(金曜日)栃木県博物館協会総会


令和4年度の栃木県博物館協会の総会に出席しました。講演会も大変興味深い内容でした。いつ行っても県立博物館はきれいですね。(か)
2022年5月17日(火曜日)タキコレ展の作品が並びました

タキコレ展の注目の一点、小杉放菴(未醒)の《瀧十題》(「瀧十趣」)も展示が完了しました。掛軸を掛けるレールのない壁に設置するため、器具を使って高さや水平をそろえながら1点ずつ掛けていきます。10幅揃って掛かると大変見ごたえがあります。他展示室でもイグアスを描いた松本哲男の額装絵画や当館初公開作品など見どころがございます。滝づくしの展示の全貌は開催まで楽しみにお待ちください。(お)
2022年5月12日(木曜日)「王欽古展」の撤収を行いました

ご好評いただいた「王欽古展」が終わり、作品の撤収作業を行いました。(アクリルではなく)ガラスがはまっている額装作品は、輸送に備えて再剥離フィルムを貼り、一時的にガラスを保護します。(す)
2022年5月8日(日曜日)さのまるがフレスコ画を見に来てくれました!

さのまるが吉澤記念美術館や葛生伝承館などのフレスコ画を見に来てくれました。動画が公開されましたので、こちらをご覧ください。(す)
2022年4月の記事
2022年4月30日(土曜日)特別講演会「王欽古と関東南画」を実施しました

王欽古展の特別講演会「王欽古と関東南画」を開催しました。コロナ関係で延期になりましたが、今度は無事開催することができました。
講師の伊藤紫織先生(尚美学園大学教授)には、中国での成立から日本の明治期まで、南画(文人画)の歴史をご紹介いただいた上で、王欽古の活動の様子、そして一連の見沼代用水図をめぐる問題、真景について様々な事例を示しつつご講演いただきました。参加の皆様も熱心に聞き入っていました。
なお、伊藤先生には『王欽古展』図録にもご寄稿いただいております。ミュージアムショップにて通信販売も承っていますので、ぜひご購入ください。(す)
2022年4月29日(金曜・祝日)王欽古展のみどころ(3)

王欽古「見沼代用水重要構造図(三)」(部分)埼玉県立歴史と民俗の博物館所蔵ほか

王欽古「瓦葺懸渡井官費営繕之真景図」(部分)上尾市教育委員会所蔵(上尾市指定有形文化財)
欽古展も終盤を迎えました。
本展では、埼玉県の見沼代用水と河川の立体交差を描いた作品が3点展示されています。また、欽古の制作記録『他方潤筆記』(明治21年、佐野市郷土博物館蔵)に現地での制作を推測させる記述が見つかりました。
「胸中の山水」を描くとイメージされる南画家の意外な一面を示す作品です。(す)
2022年4月23日(土曜日)スライドトークを実施しました

王欽古展のスライドトークを実施しました。担当学芸員が展覧会のねらいや見どころ、展示では紹介できなかったこぼれ話などをお話ししました。(す)
2022年4月21日(木曜日)初夏へ向けて・・・


佐野市シルバー人材センターに依頼し、クチナシの中の除草作業を行いました。(や)
2022年4月19日(火曜日)前庭の桜が咲いています

ソメイヨシノは散ってしまいましたが、美術館のオオシマザクラは今控えめに満開の花を咲かせています。(か)
2022年4月18日(月曜日)王欽古展の一部展示替えを行いました


王欽古展の一部作品の展示替え・場面替えを行いました。図録に載っていない部分・資料もご覧いただけます。前期展示をご覧になった方も、まだの方もぜひご覧ください。(す)
2022年4月12日(火曜日)木村尚仙貸出

木村尚仙《石灰谷焼窯焼立図》(当館寄託)部分

写真「石灰七輪窯」(当館寄託)ほか
佐野市郷土博物館で開催される「佐野の近代化と田中正造」展(4月29日~6月19日)のため、当館収蔵品の貸出を行いました(佐野市郷土博物館へのリンク)。
当館コレクションの寄贈者・吉澤家も明治6年から石灰産業に携わっており、収蔵品に石灰産業関係の作品・資料が含まれます。その一つが、木村尚仙(1829~95)による写真左の作品です。木村尚仙は吉澤記念美術館で展覧会開催中の王欽古と1歳違いで、船越村(佐野市田沼地区)に生まれ足利の新井素真(狩野派)に学び、日光東照宮等で御用をつとめました。ぜひ当館の王欽古展とあわせてご観覧ください。(す)
2022年4月3日(日曜日)王欽古展のみどころ(2)

奥右:王欽古「武陵春色図」(個人蔵、4月17日まで)
奥左:王欽古「梅渓尋友・碧山雨後図」(個人蔵)
手前:王欽古縮図等(佐野市郷土博物館蔵)

手前:粉本「郭子儀慈孫図」(佐野市郷土博物館蔵)
奥:王欽古「郭子儀慈孫図」(部分、個人蔵)
現在開催中の「王欽古」展のみどころをご紹介します。
(左写真)同時代の有名な南画家、田崎草雲は隣の足利を拠点に活動し、帝室技芸員となっています。欽古は草雲よりひとまわり以上若く、絵画共進会で草雲が「銀賞」の時、欽古は「銅賞」と、仰ぎ見る存在でした。草雲の存在を意識したかと思われる作品(奥右)や資料(手前)を展示しています。
(右写真)欽古の遺品の中には、京都での修行時代の粉本(制作手本、手前)が含まれます。師・小田海僊の画風を色濃く映した粉本と欽古の晩年の作品を一緒にご覧いただけます。粉本と欽古作品はかなり雰囲気は異なりますが、色の指定などは守られていることが見て取れます。(す)
2022年4月2日(土曜日)王欽古展のみどころ(1)

右から:王欽古「四季山水図襖」(4月17日まで)、王欽古「墨竹図小襖」いずれも個人蔵

右から:王欽古「撫謝蕪村筆魚市図」(当館寄託)「魚市繁栄景況図」(個人蔵)。いずれも4月17日まで
現在開催中の「王欽古」展のみどころをご紹介します。
(左写真)佐野市域では、欽古が描いた襖絵が現役で使われているお宅があります。地元で愛されてきた欽古作品をご紹介しています。
(右写真)よく似た2点の魚市図です。右側はおそらく慶応4年に吉澤家で描かれたもの、左側は明治16年の作です。図柄はよく似ていますが筆致が大きく異なります。ぜひ見比べてご覧下さい。(す)
2022年3月の記事
2022年3月26日(土曜日)




3月19日(土曜日)から、「王欽古―京から来て、佐野に住んだ南画家」が始まりました。当館収蔵品のほか、佐野市内・県外からの作品・資料や、佐野市郷土博物館の作品・欽古遺品で構成する展覧会です。時代は違いますが「伊藤若冲のご近所」で生まれた欽古が、旅暮らしを経て田沼(佐野市)に根を張る様子、欽古を支えた田沼の人々の文化活動などをご覧いただけます。ぜひご観覧ください。会期中展示替えあり。くわしくは「王欽古」展ページをご覧ください。(す)
2022年3月17日(木曜日)板谷波山展作品貸出

板谷波山《彩磁呉州絵香炉》当館蔵

齊藤勝美《彩磁百合文花瓶陶片(板谷波山意匠)》(当館寄託)
来月から開催の「生誕150年 板谷波山展」のための作品貸出を行いました。貸出・借用側双方で、慎重に状態や付属品の有無を確認します。
この展覧会は、令和4年度の1年間かけて全国各地で展示を行います(板谷波山作品のみ)。展覧会の情報はこちらのページとリンク先でご確認ください。(す)
2022年3月9日(水曜日)あたたかくなってきました

寒い冬を乗り越えて、たくさんのパンジーが大きな花を咲かせています。植物ってすごい生命力ですよね。(か)
2022年3月3日(木曜日)掲載誌のお知らせ

掲載誌のお知らせです。次回展「王欽古」の展示作品を紹介する学芸員の記事が『美術の窓』1月号と3月号に掲載されています。また、当館蔵《菜蟲譜》よりカエル君が『MOE』4月号にひょっこり登場しております。どちらも作品の魅力が深まる楽しく興味深い内容です。ぜひご覧ください。(お)
2022年2月の記事
2022年2月20日(日曜日)「放菴と寛方」展ギャラリートーク


栃木県立美術館の所蔵品を活用する「アートリンクとちぎ」の一環で開催中の「放菴と寛方」展も会期後半を迎えています。本日は栃木県立美術館の志田学芸員によるギャラリートークが開催されました。放菴と寛方の創作活動や作品についてわかりやすく丁寧にお話しくださり、参加者の方々も熱心にお聞きになっておられました。県北出身の画家・放菴と寛方の作品を県南の佐野市で一度にご覧いただける貴重な機会です。会期終了までじっくりお楽しみください。(お)
2022年1月の記事
2022年1月21日(金曜日)花壇にお花を植えました


「放菴と寛方展」開催に合わせ、花壇にお花を植えました。(や)
2022年1月21日(金曜日)「放菴と寛方」展の準備完了


1月22日から3月8日まで開催の「放菴と寛方」展の準備がととのいました。栃木県ゆかりの二人の画家を紹介する展覧会です。栃木県立美術館を代表する名品もお借りして、それぞれの画業と魅力をコンパクトに・濃厚に味わうことができる、またとない機会となっております。ぜひご観覧ください。(お)
2022年1月12日(水曜日)「放菴と寛方」展の展示作業


アートリンクとちぎ2021「放菴と寛方」(ほうあんとかんぽう)展の作品展示作業を開始しました。栃木県立美術館から借用した作品を慎重に設置しています。ふだんは額装絵画を展示する部屋にも特注の掛軸ケースを設置して、掛軸作品を展示します。(お)
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更新日:2023年03月24日